一般名の製品を調べてみると、数年前に調剤したニトログリセリン錠0.3mg「山川」という名称から、ニトログリセリン舌下錠0.3mg「NK」という名称に変更されていました。
また、ニトロペン舌下錠0.3mgという製品が同じ成分で同じ含有量で後発医薬品として薬価収載されています。先発⇔後発が対応しているのか試しにレセコンで入力してみると、ニトログリセリン舌下錠0.3mg「NK」からニトロペン舌下錠0.3mgへの代替調剤の入力ができません。SAFE-DI(様々な医薬品情報が閲覧可能な有料サイト)で調べてみたのですが、ニトログリセリンとニトロペンは対応していません。古くはありましたが平成18年版の後発医薬品リスト(じほう)でも同様の答えでした。
「もしかして、何かの理由でニトログリセリンとニトロペンは先発と後発の対応が無いのではないか?」と思って、日本化薬さんに問い合わせてみました。すると、最初は「対応している」という返答だったのですが、私が上述の調査結果を伝えると、「再度調査して連絡いたします!」と返答が変わりました。
結局の答えは?ニトロペン舌下錠0.3mgはニトログリセリン舌下錠0.3mg「NK」の後発品として承認されているとのこと。先発・後発の対応に関わるコードが通常は同じはずなのが、この両者に限っては異なったコードで登録されているのが原因のようです。レセコンメーカーも同様の回答で、コードを変更するわけにはいかないので、この両者は今後も代替調剤の対応はできないとのこと。現在の後発医薬品リスト(じほう)ではきちんと対応する形で記載されているそうです。
そこで、下記の理由から念のため疑義照会することにしました。
・上記のPDFからすると現在は「ニトログリセリン錠0.3mg」という名称は現在では正しくない。
・今後も考えて正しい名称にするなら、ニトログリセリン舌下錠0.3mg(一般名処方)またはニトログリセリン舌下錠0.3mg「NK」(製品指定)へ変更をお願いする必要がある。
・一般名処方を意図しているなら、実際調剤した医薬品をフィードバックする必要がある。
ニトログリセリン舌下錠0.3mg「NK」で調剤して良いとの回答を得ました。
以前、広域病院からニトログリセリン錠0.3mg「山川」が処方されていた患者さんで、転院した医療機関の採用品ニトロペン舌下錠0.3mgに変更したところ効きが今ひとつだったそうで、医師にお願いして以前の瓶入りのニトログリセリン錠を処方してもらったとのこと。医療機関で門前の薬局には在庫が無いから以前調剤してもらった薬局の方が良いかもしれないと言われたそうです。数年経っているので、ニトロペンはあったものの、こちらにもニトログリセリン舌下錠0.3mg「NK」の在庫がありませんでした。結局お手数をおかけしてしまいました。(>_<)
ニトログリセリン舌下錠0.3mg「NK」はガラス瓶に20錠入っている製品で20℃以下で保存しておく必要があり、取扱に注意が必要です。ニトロペンはアルミシートに1錠ずつ入っていて室温保存も可能で、こちらの方が比較的好まれています。患者さんから片方が効かないという話を聞いた時は、保存の問題などから「NK」が効かない話だと思ったのですが… 生物学的同等性も認められているとのことですし、何が原因だったのでしょうか?やはり先発品の方が効くのかもしれません(冗談です)。
先発品:ニトログリセリン舌下錠0.3mg「NK」 16.5円/錠
後発品:ニトロペン舌下錠0.3mg 15.6円/錠
一般名をもった製品が先発品で、商品名をもっている製品が後発品なんて、他ではあまり無い話ですよね。しかも、この両者!同じ日本化薬さんの製品なんです。名称変更からして何らかの経緯はあったにしても、同一成分の医薬品の先発も後発も両方持っているメーカーさんもめずらしいですよね?
今後ジェネリック推進の流れで、もし一般名処方が増えるようなことがあれば、情報収集やフィードバック、患者さんの希望、採用などで大変なことも多そうだと思った一件でした。
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